vol.24出演者紹介:大内彩加

Birthday:1993/07/02 Birthplace:福島県飯舘村 Height:169cm
特技:朗読、人と仲良くなること
趣味:食品サンプル収集、推し活、ゲーム全般
資格:漢字検定準2級、歴史検定3級、英語検定4級

故郷までい大使。東京ビジュアルアーツ専門学校声優・俳優学科で2年、青二プロダクション附属養成所青二塾で1年、芝居や日舞、殺陣、舞踊、声楽を学ぶ。そこから一度事務所に入り映像の世界に足を踏み入れるも、舞台でお芝居することが楽しすぎて2017年、DULL-COLORED POP「福島三部作若手オーディション」に応募。オーディション中に「君は面白いがうちは喜劇劇団ではない」と谷さんに言われ、同じ日にオーディションを受けていた内田・宮地に「この人落ちたな」と思われるも何故か受かり、2018年に「福島三部作」に出演し、入団。今に至る。

Q1.演劇・俳優を始めたきっかけ:「5歳のときミュージカル『オズの魔法使い』で」

5歳くらいのときに、幼稚園の遠足で市内に子供ミュージカルを観に行きました。『オズの魔法使い』だったんですが、終演後のカーテンコールでキャストの皆様に幼稚園代表で花束を渡すことになって。好きなキャストに渡してね、とスタッフさんに言われたので主役であるドロシーに渡しに行ったのですがお花を渡したら私をその場でくるっと回転させ、ステージ上から客席の景色を見せてくれたんです。

一緒に舞台上に立っているスポットライトを浴びたキャストの皆さんのきらきらした笑顔が眩しくて、客席から拍手を送ってくれる幼稚園の皆や母、その他大勢のお客様からの此方を見る目の多さに驚いて。今でもその景色が忘れられません。

最高の体験を5歳でしてしまった私はその日から「お芝居」をすることが好きになり、小4の時に何故かお笑い芸人を目指し、小6の時に女優になる決意をし、中1で声優を目指し始め、今に至ります(何?)

Q2.好きなor影響を受けた俳優:「美紀嬢」

中谷美紀さんです。勝手に美紀嬢とお呼びするくらい好きです。

小6の時に「女優になるぞ」と思ったきっかけは中谷美紀様主演ドラマ「ケイゾク」の再放送を見てハマりにハマったからなのですが、そのドラマの美紀嬢は本当に美しい。勿論ドラマ自体面白いのですが「ケイゾク」の美紀嬢のお芝居の可憐さ、儚さ、可愛さ、そして異質さは異常で。「この世にこの人は本当に存在するのだろうか」と私の心を掴んで離さなかった人は後にも先にも美紀嬢ただ1人。

13歳の誕生日にはお金を貯めて「ケイゾク」のDVDBOXを買うレベルで美紀嬢のお芝居の虜になり、上京し、初めて美紀嬢の主演舞台を観に行った時は感動で死にそうになりました。いたんだ、あの人。現実にいたんだ、同じ人間なんだ。

中学時代、同級生の女の子達から虐めを受け、一時死ぬことも考えた私が踏みとどまったのは美紀嬢がいたから。「美紀嬢といつか共演すること」をバネに生きていたくらい私は美紀嬢が生き甲斐でした。

福島の小さな田舎で憧れの人が出ているDVDを擦り切れるくらい毎日見続けた少女だったあの頃から今の今まで変わらず1番好きな俳優さんです。

Q3.役作りや稽古の準備のはじまり:「役のイメージをしっかり自分の中で作る」

役作りに関してはその時の本や役柄によって変えます。

そのための準備としてまずは演じる役柄のイメージをしっかり自分の中で作ること。結局演じるのは「自分」なので、まずはどう演じたいかのビジョンやイメージをしっかりさせます。その役を演じる上で「まずはプロフィール作成だな」と思えば産まれる前から遡った年表を作りますし、「日記を書こう」と思えば書きますし、呼吸の仕方、歩き方、立ち居振る舞いを細かく考えて実際に動いてみて、どう感じるかを細分化します。

あとはイメージソングを決めます。基本的にオタクなのでイメソンは超重要です。二次創作が好きなので演じる役柄の二次創作を生み出すまでがワンセットでしょうか。

Q4.今回、俳優として挑戦したいこと:「新しい武器を手に入れたい」

自分自身の新しい武器を手に入れたい。得意なところで芝居をしない。

これは劇団員の東谷英人さんにプルーフのオーディションの日に言われた事なのですが「彩加は色んな玉が投げられる。それは凄いことだから得意なこととして持っていて良いんだけれど、ストレートが投げられない」と言われて驚いたんですね。自分ではストレートを投げていたつもりだったがそれはつもりだったな、と。器用貧乏である事を自覚しました。

東谷さんにそう言われた直後に劇団内でキャスト発表があり、私の配役が決まったのですがまさか自分がキャサリンに選ばれるとも思わず……これはチャンスだと感じました。今回の公演では新たな武器を発掘し、自分の得意なところで芝居をしない新しい大内彩加で挑みたいです。

Q5.演技・演劇について最近考えたこと:「満足したら成長は止まる」

いっぱいあり過ぎるのですが1番実感したことは「ちょっとでも満足したらそこで成長は止まる」ということです。

演劇に底なんてない、天井もない、あるのは楽しく辛いブラックホール。もらえる言葉は受け止めるだけ受け止めて、あとは孤独に突き進むしかない。孤独っていいな。

あと、演劇って料理なんだなと思いました。私は食材調達から調理過程も含めて結果、料理の出来上がりを大事にしたいけれど、召し上がるお客様にとっては瑣末なことだったりする訳で。でも今回の『プルーフ/証明』では普段お客様が見ることの無い食材調達からしっかり見てもらえる機会が設けられているので良かったら見てほしいなと思います。チンしたら温かいご飯が出来る訳ではなく、そこには沢山のプロセスがあって、それも一通りではなくて色んな回路があって、どうやったら多くの人にその彩り豊かな回路を見てもらえるんだろうとも考えます。役者って大変なんだな、というよりも「何をやってお客様にお芝居を届けているのか」を見てほしい。エゴです。

あと、演劇をしていると、自分の人生を何度でもやり直して、色んなものを見て、沢山の人に出会えている気持ちになれるなあと考えていました。
みんなもっと演劇やったらいいのに。

Q6.俳優としての座右の銘:「相手を信じなければ/自分を信じなければ」

「相手を信じなければ自分を信じてもらえない。自分を信じなければ相手に信じてもらえない」です。

中学時代、大変お世話になった社会の先生に言われた言葉で、これって俳優にも通づるなと思っているので常に意識しています。これを意識していると、相手役や共演者に「彩加なら大丈夫」と思ってもらえるように普段から俳優としての準備や、同じ板の上に立つ人間としての社会性や協調性を大事に出来るんです。先生はそんなつもりで言った訳ではないだろうけれど、私にとっては忘れられない格言です。

Q7.最後に自由にメッセージを:「最高の会話劇を皆様に」

『プルーフ/証明』の情報公開時のキャストコメントで「劇団員だから選ばれた訳ではありません」と書きました。

これを書いた経緯やドラマが私の中でかなりあるのですが、全部書いちゃうと余計な前情報となり、フラットに観てもらえないかな、と思うので、そういった強い想いも含めて私が演じる『プルーフ/証明』をお客様には観てもらいたいです。

私や宮地、今回他の公演があって出演出来ない内田が劇団員になってから3年ほど経ちました。ダルカラを昔から応援してくださっている方からすれば私なんてまだまだペーペーで、新参者かもしれません。とは言え内田は福島三部作で主役を演じ、宮地はダルカラに欠かせないというくらい多くの作品に出演してきました。私はふたりのことが心の底から大好きで、またどこかで羨ましくも感じていました。そんなふたりが、私がキャサリンを演じることが決まった時に言ってくれた「おめでとう」が忘れられません。私はここで、キャサリンを演じたかったんです。

ダルカラの新しい『プルーフ/証明』の1チームのキャサリンを劇団員である私が担う責任をしっかり背負って、最高の会話劇を皆様にお届けします。

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演出家コメント

上記コメントにある通り彼女は元々キャサリンで起用するつもりはなく、その旨も伝えていたのですが、オーディションで参加者の相手役を頼んだ際に素晴らしい準備をしてきて、感動しました。台詞はもちろん完璧に覚えている。読み込みもしっかりしている。何より、相手がよく見れている。会話劇は相手を動かすことが重要なので、自分の役を表現することより、相手を見ることの方が何倍も大事です。

ならばちょっとアレンジしてみようと思い、「犯罪都市デトロイト生まれ、ヘロイン中毒で◯◯✕✕、しかし本当は△△な少女で……」などと設定を無茶振りしてみたら、非常に悲しく殺気立ったキャサリンを見事に演じ切り、その場にいた全員が完全に説得されてしまいました。居合わせた劇団員の東谷くんも「デトロイトキャサリン良かったよ」と言い、僕もキャサリン役での起用を即断しました。

配役を告げたときには心底驚いていました。ずっとやりたかった役だったせいか、喜びよりも覚悟や決意の方が強い表情をしていたのが印象的です。福島三部作・第一部から出演していますから三年半の付き合いになります。当初から飛び抜けた才能と素質を示していましたが、今回その集大成となるような活躍を期待しています。

谷賢一(翻訳・演出)

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DULL-COLORED POP『プルーフ/証明』は2022/3/2(水)~3/13(日)、王子小劇場にて上演されます(配信あり)。

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