vol.24出演者紹介:阿久津京介

Birthday:1995/08/04 Birthplace:愛知県 Height:181cm
特技:バスケットボール(小学校から大学卒業まで)
趣味:古着屋巡り、喫茶店巡り、音楽鑑賞。服とコーヒーと音楽でできています。

高校生の頃、当時放送していた『リーガルハイ』に影響されて弁護士になることを決意し、法学部へ進学。しかし授業内容に全く興味が持てず断念。大学ではバンド活動に精を出し、パンクバンドでボーカルとして活躍。その後、就職活動を経て人材会社へ就職・上京。5エリアを担当する営業マンとして働いていたが、映画のオーディションをきっかけに突如退社、俳優として活動を始める。また持ち前のスタイルを活かし、ファッションモデルとしても活動中。

【主な出演作】
・2020年2月 TOKYO笹塚ボーイズ 舞台「朝の気配」 阿久津 役
・2020年11月 大塚ドリームSHOW 3周年記念公演 「BYE BYE」 主演 鮫島竜也 役
・2021年9月 村松みさきプロデュース 舞台「ミルキーウェイ」 蜂谷正美 役

Q1.演劇 ・俳優を始めたきっかけ:「映画のオーディション。人生を賭けてやりたいことが見つかった」

大学卒業後サラリーマンをしていたときに、園子温監督が「プロ、アマ問わず」という選考基準で映画のオーディションをしていることを知り、なんとなく書類を送ったら選考を通過してしまったこと。

芸能関係の知り合いは1人もいなかったし、人前でお芝居をしたことなどもちろんなかったのですが、自分なりに準備をして当日は臨みました。

しかし、オーディションでそんな付け焼き刃の演技が通用するわけもなく、自分でも「落ちた」とわかるほどでしたが、それでもその時間がすごく楽しくて、刺激的で。自分の未熟さを痛感したと同時に「人生を賭けてやりたいことが見つかった」と思い、その帰り道で会社に辞職の意向を伝えました。

Q2.好きなor影響を受けた俳優:「小栗旬さん 、 山田孝之さん 、 香川照之さん 」

小栗旬さん。
かなり前ですが、出られていた情熱大陸がとても素敵でした。あれほどの俳優でも苦労していた時代があって、自分の見られ方に思うところがあって、ちゃんと人間で、生きていて。今でも観るとモチベーションが上がります。

山田孝之さん。
コメディからサスペンス、主役や2枚目まで、とにかく演技の幅が広い。特に、声がすごく魅力的だと思います。

香川照之さん。
表情、目の芝居が圧倒的。観ている人の心を動かすことのできる俳優。個人的に、香川照之さんの出ている作品にハズレはないと思います。

Q3.役作りや稽古の準備のはじまり:「 まずは阿久津京介として、ただ読んでみる 」

まずは阿久津京介として、ただ読んでみる。自分ならこう言うだろう、こう動くだろう。

その中で、自分ならしないことをしたり、言わないことを言わなければいけないシーンが必ずあるので、役の人物と自分との相違点を考える。

置かれた状況を想像しながら、セリフを落とし込む。どうしてその人物は、そのセリフを、その状況で言っているのか、そのとき何が見えているのか、その人物の目的は何か。何故そうなるのか。

役として、登場人物それぞれについての感情、目的を考える。この人に対してはこう思っている、こうしてほしい、こうしたい。

パターンを考える。ここのシーンでムカついてきたら怒るかもしれない。悲しくなって泣くかもしれない。セリフの裏では何を考えている?

何かをしながらセリフを言ってみる。意識を散らす。

Q4.今回、俳優として挑戦したいこと:「 ただ、その人物として生きている」

「ただ、その人物として生きている」ことが最終目標です。

したくないことはしないし、やりたいことをただ、やる。伝えたいことをただ、伝える。会話劇だからこそ、自分の目に本当の意味で見えていなければ、観ている人にも想像させることはできないと思っています。

特に、セリフにない部分、脚本にない部分でどのように、どんなことを思いながらその場に存在しているのかを深く考えていきたいです。

また、俳優も生きている人間なので、コンディションなどによって毎日同じ演技ができるとも限らないのですが、演出意図や作品としての大枠から逸れることなく、それを上手く演技に反映させて、板の上で起きる繊細な変化に反応していきたいです。声のトーンや表情、視線など、少し違うだけで全然違った見え方になる作品だと思うので、毎公演そういうお芝居ができたら素敵だなと思います。

本当に信頼、尊敬できる俳優が揃っているので、稽古場でも積極的に動いて、1つでも多く学びに繋げていきたいです。

Q5.演技・演劇について最近考えたこと:「良い俳優は目で芝居をする」

良い俳優は目で芝居をする。目は口ほどに物を言う、とはよく言ったもので、「目」というのは実に雄弁だということに最近改めて気付きました。

そのとき何を視ているのか。何を考えているのか。本当は何がしたいのか。本当に生きているのか。目を見れば大抵わかります。自分の好きな俳優さんや、素敵だなと思うお芝居をする役者さんは、共通して目が生きています。

演劇とは対話である、という言葉があるように、対話をしていく上でその人物の目的が何かを明確にして、かつ、「自分はこう読んだ」「自分はこの部分が大切だと思う」という箇所を自分の言葉として表現に昇華すること。

Q6.俳優としての座右の銘:「 そんなんじゃ止まれねえよ」

「そんなんじゃ止まれねえよ」

ある俳優さんがある女優さんとお芝居をしていて、[階段を登るところを女性から引き止められる]というシーンの撮影で言った言葉です。

女優さんから、セリフで「待って」と言われたその俳優は、止まらずにガンガン階段を登っていったそうです。もちろんリテイクになったのですが、段取りの確認に来たスタッフに対してその俳優は、「そんなんじゃ止まらねえよ」と言ったそうです。そうなると女優さんとしては、何が何でも「待って」のセリフで引き止めなければいけません。

「気持ちが動かなかったこと」を伝える方法は様々ですし、どの方法が正解かは時と場合によりますが、そのまま芝居をしてしまうのは自分にとっても、相手にとっても、作品にとっても、良くないことだと思います。

ちなみにここまで話しておいてなんですが、このエピソードが本当かどうかはわかりません。ただ、演じる上で意識している、とても好きなエピソードです。

Q7.最後に自由にメッセージを:「人生を賭けて臨みます」

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。自分は役者としてのキャリアもまだまだ浅く、きっと、足りないものも自分が思う以上にたくさんあります。それでも、やっとの思いで掴んだこのチャンス。

お客様のために。自分のために。作品のために。最後まで必死に喰らいついて、この作品と一緒に成長していきたいと考えています。

文字通り、人生を賭けて臨みます。

『プルーフ/証明』。美しい作品。この作品の中で生きられること。その幸せを噛み締めながら。是非目撃してください。

谷さんへ。1番成長してみせます。よろしくお願いします。

* * *

演出家コメント

オーディションは当初、二次審査までの予定でした。一次審査を通過した約120人を10組に分けて順番に見て行き、予想通りと言うか何と言うか、すでに有名な人や活躍してる人、ほとんど中堅と言ってもいいような人が通っていき、僕はこう考えていました。

「まぁ、そうだよな。”原石を発掘”なんて、実際にはほとんどない。原石だったら埋もれてるわけがない。誰かが見つけてる。それに俳優は人前に立つことでしか磨かれない。舞台に出てる人はより上手くなり、出れない人はどんどん差をつけられる……」

ほぼ決まりと思っていた10組目に阿久津くんがいました。そして全て引っ繰り返した。荒削りではあるものの非常に感受性豊かな演技。恩師の死を悼む台詞を読む彼の瞳には真実がありました。技術は教えることができますが、感受性や感性は自分でしか磨けません。話をしてみると音楽や芸術に非常に造詣が深く、なるほどと思いました。

これは面白い人材を見つけたぞ。しかしこれほど大きな役を預けて良いものか? その時点で一番有力視されていた人はオーディション1組にいたので、間に約110人いる。比較するのも難しい。さて……。

急遽三次審査を行うことにし、出演確実とされていた宮地にも「こうなった以上は劇団員だからという理由だけで通すわけにいかない。公平にオーディションしよう」と告げ、追加オーディションを行いました。そして今のキャスティングが決まりました。

もともとこの公演は若手にスポットライトを当てるために考え始めたものでした。彼は良い下地を持っており、性格も素直で真面目なので非常に期待しています。それに、すごいハルっぽい。ハルは大学の数学部にいてバンドもやってるって設定だけど、多分Radioheadみたいなバンドじゃなくて、ちょっと古めのパンクとかガレージロックとかやってると思ってたんだよ。上裸でドラム叩いてビール飲みながら「アー!!」とか絶叫して、メンバーから白い目で見られてるはずなんだよ。台詞の端々に無駄に感受性豊か、情緒豊かな性格が読み取れる。あとたぶん大学デビューだから、学生証の写真がすごいダサいはずなんだ。そういうとこ全部何か似てる感じがします。

作品を作ることが、そして人前にさらされることが最も俳優を育てます。今回のメンバーの中では明らかに最も場数を踏んでない「若手」なので、最も変化が見れるかもしれません。そして僕も彼も同じバンド、毛皮のマリーズ&ドレスコーズの大ファンだということもわかりました。心の奥で繋がっているから、きっと大丈夫。ちなみに彼の出演するチームの演出テーマは「音楽」です。

谷賢一(翻訳・演出)

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DULL-COLORED POP『プルーフ/証明』は2022/3/2(水)~3/13(日)、王子小劇場にて上演されます(配信あり)。

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