「これまでの作品」カテゴリーアーカイブ

第25回本公演『岸田國士戦争劇集』

作:岸田國士 構成・演出:谷賢一
2022年7月5日(火)~7月19日(火)全30ステージ@アトリエ春風舎にて

日本の近代劇に多大な影響を与え、今も「演劇界の芥川賞」と呼ばれる戯曲賞にその名を刻む劇作家・岸田國士。戯曲や評論を数多く執筆し、文学座の創設にも携わるなど演劇界に大きな影響を及ぼしました。しかし彼が戦争中、1940年から1942年にかけて大政翼賛会の初代文化部長に就任し、終戦後には戦争指導者の一人として公職追放の処分を受けていたことはあまり知られていません。

岸田國士は戦争をどのように見ていたのか? 岸田の「戦争劇」を並べて上演することで、岸田と当時の日本人が戦争をどのように見ていたのか浮かび上がらせます。

日露戦争へ出征する兵士夫妻の心の揺れを克明に描いた傑作『動員挿話』(1927年)。また太平洋戦争へ出兵する若い兵士を描いた『かへらじと』(1943年)は、戦時中に書かれたたった一つの劇であり、かつ大幅に検閲を受けた点でも注目すべき短編です。劇場での上演は上記2作ですが、関連プロジェクトとしてラジオドラマの台本である『空の悪魔』、わずか1ページの短編『戦争指導者』なども取り上げます。

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第24回本公演『プルーフ/証明』

作:デヴィッド・オーバーン 翻訳・演出:谷賢一
2022/3/2(水)~3/13(日)@王子小劇場(配信あり)

あらすじ

シカゴ、冬。天才数学者・ロバートは103冊のノートを遺して世を去った。家に引きこもり人を寄せ付けようとしない次女キャサリンと、ロバートの研究を引き継ごうと家を訪れる青年ハル、キャサリンの身を案じる長女クレア。3人はやがて1冊の「証明」が書かれたノートを発見する。「数学の歴史が始まって以来、あらゆる数学者たちがずっと証明しようとしてきた」「おそらく不可能だろうと思われていた」証明。ロバート最後の偉業と思われるその「証明」について、キャサリンが驚愕の事実を打ち明ける。この証明は……。

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vol.xx
『TOKYO LIVING MONOLOGUES』

「私が生きていることを、私以外誰も知らない」

2021/11/10(水)~11/28(日)@STUDIO MATATU SHIN-OCHANOMIZU

DULL-COLORED POP/谷賢一がこの秋にひっそりと世に発表する、社会との接点を持たない孤独な個人の声を拾い上げる新作実験公演。『福島三部作』や『丘の上、ねむのき産婦人科』でも功を奏したドキュフィクション的手法を押し進め、「分断された個人の孤独な声」を独白をメインとした濃厚な文体で描きます。20名だけの小スペースで上演し演劇ならではの「息遣い」を体験できるライブ上演と、「盗撮」「接写」「隠し撮り」を多用した配信上演を行い、コロナ禍における演劇の可能性を広げるプロジェクトです。

――1400万人都市、東京のどこか、独り暮らしのリビングルームから聞こえてくる「ひとりごと」。分断され孤立した個人、独り暮らしの人男女4人の、誰にも向けられない言葉たち、誰にも聞かれないつぶやきが集まり、一つの物語としてうごめき出す。
陰謀論にハマる独居老人はTwitterの画面を閉じて呟いた、「俺が生きていることをこの世の中の誰も知らない」。同じ時、別のリビングルームでは、預金通帳のゼロの数を数えながら若い女が最果タヒの詩を読んでいる。「誰にも見られていないからこそ言えること」を、劇場あるいは配信で「みんなで観る」演劇的企み。誰とも繋がっていない人たちの声によって現代の姿を浮かび上がらせる谷賢一の最新作。

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『TOKYO LIVING MONOLOGUES』

第23回本公演
『丘の上、ねむのき産婦人科』公演情報

作・演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)
2021/8/11(水)~8/29(日)@下北沢ザ・スズナリ
2021/9/1(水)~9/5(日)大阪in→dependent theatre 2nd

駅の北側、商店街を抜けた先、丘の上にある「ねむのきさん」は、昭和のはじめ、古くから続く産婦人科で、私も私の母も祖母もここで産み、生まれたらしい。今日のロビーは少し混み合っていて、私たちを含めて12人の男女が座っている。年齢も服装も表情もバラバラ。みんな一体何を考えているのか。しかし決して会話は起こらない。6組の悩み、いや12人の別の考えが、誰も喋らない静かなロビーにぽっかり浮かんでいる。

「妊娠」をテーマに数十名に取材を行い、7つの連作エピソード集にまとめあげた新作戯曲。とある架空の地方都市に存在する産婦人科の人々の姿を通じて浮かび上がる現代社会の様相、――少子化・晩婚化・ジェンダーロールやジェンダーギャップ・若者の貧困・不妊治療・中絶・ひとり親・モラルハラスメント・反出生主義、そして男女の意識の違い。「自分と異なる性/生を想像する」というテーマに基づき、男女入替えA/Bキャスト2バージョンで上演するDULL-COLORED POPの最新作です。

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『丘の上、ねむのき産婦人科』公演情報

DULL-COLORED POP主催・東日本大震災10周年記念チャリティーイベント「福島三部作・無料上映会&トーク」

DULL-COLORED POPでは2018年~2021年にかけて、福島と原発を巡る50年の歴史を描いた「福島三部作」を上演し、観客1万人動員を達成、岸田國士戯曲賞・鶴屋南北戯曲賞を受賞するなど、幅広く評価を受けてきました。取材や上演にご協力頂いた皆様、そしてご観劇頂いた皆様、誠にありがとうございました。

そして来たる2021年3月11日、東日本大震災から10年が経ちます。被災地で失われた命やコミュニティは取り返しがつくものではなく、今でも故郷に戻れない人たちが大勢います。そこで劇団として311を追悼し、震災の記憶を語り継いでいくために、無料のチャリティーイベントを開催することに致しました。

当日は「福島三部作」の記録映像を第一部から第三部までノーカットで上映する他、谷賢一ほかゲストが登壇するトークイベントを開催します。本イベントは完全無料でご入場頂けますが、被災地支援のための募金箱を設置致します。あの戦後最大の悲劇に思いを馳せつつ、よろしければ募金にご協力下さいませ。

イベント概要

日時 2021年3月11日(木) 11:00~20:30(途中入退場自由)
料金 無料
会場 北とぴあ・ドームホール
   (〒114-8503 東京都北区王子1-11-1、JR王子駅から徒歩3分)
出演 谷賢一、大内彩加、大原研二、百花亜希
  (谷賢一以外の3名は、トークイベントのみの出演)

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『福島三部作』TPAM再演

2019年に上演された『福島三部作』が、TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)にて期間限定で再演されることになりました。

公演日程

2021年2月9日㈫、12日㈮~14日㈰  第一部『1961年:夜に昇る太陽』
2021年2月10日㈬、12日㈮~14日㈰ 第二部『1986年:メビウスの輪』
2021年2月11日㈭~14日㈰ 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

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大阪・演劇創作ワークショップ 上演会

選抜されたワークショップ参加者たちを対象に、講師・谷賢一が劇作のイロハとノウハウを伝授し、いくつかの短編作品を創作して上演します。「主人公型」と「群像劇型」、2つのプロット作成方法を用いて創作した短編に、照明・音響を加えて上演。全ての公演にアフタートークがあり、創作秘話や裏話をお届けします。

◎出演者

東谷英人(DULL-COLORED POP)、池田ユリア、内田倭史(DULL-COLORED POP)、岡﨑初海、オガワジョージ、神山慎太郎、川口知夏、木下菜穂子、日下範子、杉山文乃、ネルマイサゴ、深海哲哉、星善之、松尾元勢、萬谷真之

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第22回本公演『アンチフィクション』

作・演出・出演 谷賢一
2020/7/16(木)~26(日) 計14ステージ
@シアター風姿花伝

◎公演概要

え、今やるの? 今やります。生です。新作です。今しか書けない、今しかやれないものをやります。今書いてます。今を、書いています。久しぶりに劇場でお会いするために。(谷賢一)

作・演出・出演のみならず、照明操作・音響操作などすべて一人で手掛ける、谷賢一による完全一人芝居。たった一人が繰り広げる演劇のめくるめく世界をお楽しみ下さい。

――作家は模索していた、今の時代にどんな物語が可能なのか? コロナ禍の中、演劇は一体どんな物語を生きるべきか? 劇場とはどうあるべきか? 作家・谷賢一自身の葛藤をそのまま剥き出しにして舞台上に乗せる“アンチフィクション”演劇。
「ここで起こることはすべて本当です」

谷賢一、岸田國士賞・鶴屋南北賞ダブル受賞後、初の新作。劇場での生上演の他、オンライン配信も実現! 客席数に「とても」限りがありますので(当初予定の半数です)、お早めのご予約をお願いします。

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コロナに負けず演劇を! ダルカラ配信祭

世の中ではコロナウィルスの感染拡大が続き、DULL-COLORED POPでも5月に予定していたanima演劇フェスティバルが全て中止になるなど大きな打撃を受けました。しかし、落ち込んでばかりはいられないと、新たに配信限定の特別イベントを3つご用意致しました。「コロナに負けず、誰にも会わずに演劇やろう!」という新しい試みです。

4/13(月)に収録を行い、夜19時に生配信。その後24時から打ち上げまでオンライン開催! いずれも無料で公開します。面白いなと思った方はぜひカンパでご支援をお願い致します。

演出:谷賢一 照明:松本大介 音響:佐藤こうじ 映像:松澤延拓 題字:松本美穂 協力:アトリエ春風舎

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第21回本公演『マクベス』

原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻案・演出:谷賢一
翻訳 松岡和子(ちくま文庫)による

公演概要

作家・演出家として成熟し、ますます注目を集めている谷賢一が満を持して挑む、シェイクスピアの現代日本への翻案上演。

先の見えない不安、希望のない未来、行き詰まり暴走する政治。『マクベス』のテキストを徹底的に解体・再解釈することで現代日本との共通点を見出し、観客に全く新しいシェイクスピア像を提示します。

運命の魔女にそそのかされて野心に支配され、権力を手にしてからは暴走するマクベスの心理を現代劇としてアクチュアルな題材として捉え、たった6人のミニマルな出演者でタイトに演出。

今さら古典を古典らしくやって何になる? 現代劇以上に現代的な言葉と演出で、シェイクスピアに新風を吹き込む大胆不敵な翻案上演。

ごあいさつ

DULL-COLORED POP第21回本公演『マクベス』の当日パンフレットに掲載される(予定の)ごあいさつです。作品ガイドとしてお読み下さい。

→『マクベス』ごあいさつ

本番前に是非ご覧下さい。

公演PV

※衣装やセットなど、本編のネタバレを含みますのでご了承下さい。

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