第23回本公演
『丘の上、ねむのき産婦人科』公演情報

作・演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)
2021/8/11(水)~8/29(日)@下北沢ザ・スズナリ
2021/9/1(水)~9/5(日)大阪in→dependent theatre 2nd

駅の北側、商店街を抜けた先、丘の上にある「ねむのきさん」は、昭和のはじめ、古くから続く産婦人科で、私も私の母も祖母もここで産み、生まれたらしい。今日のロビーは少し混み合っていて、私たちを含めて12人の男女が座っている。年齢も服装も表情もバラバラ。みんな一体何を考えているのか。しかし決して会話は起こらない。6組の悩み、いや12人の別の考えが、誰も喋らない静かなロビーにぽっかり浮かんでいる。

「妊娠」をテーマに数十名に取材を行い、7つの連作エピソード集にまとめあげた新作戯曲。とある架空の地方都市に存在する産婦人科の人々の姿を通じて浮かび上がる現代社会の様相、――少子化・晩婚化・ジェンダーロールやジェンダーギャップ・若者の貧困・不妊治療・中絶・ひとり親・モラルハラスメント・反出生主義、そして男女の意識の違い。「自分と異なる性/生を想像する」というテーマに基づき、男女入替えA/Bキャスト2バージョンで上演するDULL-COLORED POPの最新作です。

Contents

劇場とタイムテーブル、上演時間

[A]女性キャストが女性役、男性キャストが男性役を演じます。
[B]男性キャストが女性役、女性キャストが男性役を演じます。

上演時間は約2時間です。

城崎試演会 城崎国際アートセンター

8/1(日)14:00~[A]
8/2(月)18:30~[B]

〒669-6101 兵庫県豊岡市城崎町湯島1062 Tel:0796-32-3888
JR城崎温泉駅から徒歩15分

東京公演 下北沢ザ・スズナリ

8/11(水) 19:00~[A]
8/12(木) 19:00~[B]
8/13(金) 配信撮影日
8/14(土) 13:00~[A]、18:00~[B]
8/15(日) 13:00~[A]
8/16(月) 19:00~[B]
8/17(火) 14:00~[A]、19:00~[B]
8/18(水) 休演日
8/19(木) 14:00~[A]、19:00~[B]
8/20(金) 19:00~[A]
8/21(土) 13:00~[B]、18:00~[A]
8/22(日) 13:00~[B]
8/23(月) 19:00~[A]
8/24(火) 14:00~[B]、19:00~[A]
8/25(水) 休演日
8/26(木) 14:00~[B]、19:00~[A]
8/27(金) 19:00~[B]
8/28(土) 13:00~[A]、18:00~[B]
8/29(日) 13:00~[A]

※受付開始は開演の1時間前、開場は開演の30分前です。上演時間は約2時間です。

下北沢ザ・スズナリ
東京都世田谷区北沢1-45-15 Tel:03-3469-0511
下北沢駅・東口(小田急線)、京王中央口(井の頭線)より徒歩5分

  • 会場にはエレベーターがございません。車椅子でご来場のお客様は事前にお問い合わせ下さい。
  • 開演後のご入場は、購入いただいた指定席へご案内できない場合がございます。

大阪公演 in→dependent theatre 2nd(新生)

今回の公演は移転・新生したin→dependent theatre 2ndの「新2nd杮落しシリーズ」の一つとして上演されます。

9/01(水) 19:00~[A]
9/02(木) 19:00~[B]
9/03(金) 14:00~[A]、19:00~[B]
9/04(土) 13:00~[B]、18:00~[A]
9/05(日) 13:00~[B]

※受付開始は開演の1時間前、開場は開演の30分前です。上演時間は約2時間です。

in→dependent theatre 2nd
大阪市浪速区日本橋4-9-5 Tel:06-6635-1777
OsakaMetro堺筋線・恵美須町駅、1A出口右手(北)7分

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公演概要

キャスト

東谷英人、内田倭史(劇団スポーツ)、大内彩加、倉橋愛実、塚越健一、宮地洸成(マチルダアパルトマン)(以上DULL-COLORED POP)、岸田研二、木下祐子、冨永さくら、湯舟すぴか、李そじん、渡邊りょう

スタッフ

脚本監修:北村紗衣 医療監修:稲田美紀(医師)

美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:清水麻理子 衣裳:及川千春 
舞台監督:竹井祐樹(StageDoctor Co.Ltd.)配信映像監督:松澤延拓、神之門隆広
照明操作:和田東史子 舞台監督助手:澤田万里子 

宣伝美術:平崎絵理  制作助手:佐野七海、柿木初美(東京公演)、竹内桃子(大阪公演) 制作:小野塚 央

助成:芸術文化振興基金 協力:城崎国際アートセンター(豊岡市) 主催:合同会社 DULL-COLORED POP

舞台写真

以下のページで舞台写真を公開しています。美術や衣裳・配役などのネタバレになりますが、事前に内容や雰囲気を知りたい方はご覧下さいませ。

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チケット・ご予約

一般チケット(劇場で観劇する)

チケット発売日:2021年7月3日(土)
東京公演:全席指定
大阪公演:整理番号付き自由席

一般:4000円
学生:3000円
コロナ支援チケット:8000円

チケット取り扱い:
 ・イープラス
 ・チケットぴあ (東京公演Pコード:506-608、大阪公演Pコード:506-609)
 ・CoRichチケット

  • 当日券は、一般・コロナ支援・学生券、すべて+500円となります。
  • 未就学児童の入場はお断りさせて頂きます。

配信チケット(オンラインで視聴する)

本番をそのまま収録するのではなく撮影日を別途設けて劇場を空け、撮影用に5カメ設置、収録専用の仕込み替え、マイク設置などを行った本格的な収録を行いました。クリアな画質・音質でお楽しみ頂けます。配信期間は8/27(金)17時~9/26(日)23時59分までです。

配信通常チケット:3300円
特典付きチケット:5000円

◯特典付きチケットの配信特典:谷賢一(作・演出)✕北村紗衣(脚本監修)対談、谷賢一✕稲田美紀(医療監修)対談、キャスト座談会など特典多数! 3時間超の大ボリュームです。

ご購入は以下のリンクから。女性が女性・男性が男性を演じる「A」公演か、女性が男性・男性が女性を演じる「B」公演か、どちらか選んでご購入下さい。

サンプル動画:(画質の確認にご覧下さい。激しくネタバレですのでご注意!)

コロナ支援チケットとは

感染症対策のため、劇場では最大50%客席を減らしています。今回も何%になるかはわかりませんが客席減は確定しています。それでも劇場費や稽古場代・製作費が大幅に安くなるわけではありません。

そんな中、「客席数が半分ならチケット代を二倍にしていいよ!」という応援の声をよく頂きます。それで観られなくなるお客様が出てしまうことを考えると一律二倍にはできませんが「ぜひ支援したい」「本当に二倍払いたい」と考えて下さる方は、コロナ支援チケットをご購入下さい。

席種は定価のお客様と変わりませんが、ささやかな感謝の品を贈らせて頂きます。受付にてお申し出下さい。また、このチケットの定価との差額分は、劇場費や製作経費など「物」に対してではなく、キャストやスタッフなど「人」に対して全額使わせて頂きます。

ギフトチケットはじめました

舞台芸術の公演のチケットを大切な方にプレゼントしませんか?

先に必要な枚数だけ購入してプレゼントし、贈られた相手があとから日時指定できるチケットです。プレゼントをきっかけに、舞台芸術に関心のなかった人に足を運んでもらえたら嬉しいです。

  • 対象公演:8/11(水)~17(火)の東京公演(限定20枚) 価格:4000円(一般前売り料金と同じ)
  • お申し込み先:info@dcpop.org
  • 日時指定は、8/8(日)締め切りとなります。
  • 締め切り直前での日時指定でも、見やすいお席を確保いたします。
  • 特定の回に極端に希望が集中した場合は、第2希望にして頂く可能性がございます。

【参考】舞台芸術ギフト化計画 http://fringe.jp/gift/

当日券について

当日券の発売情報は逐一劇団の公式Twitterアカウントでアナウンスしております。新型コロナウィルス対策のため、予定枚数に達している日には販売がございません。くれぐれもご注意下さい。

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その他のご案内

台本&パンフレット&舞台写真、デジタルデータ販売

Amazon Kindleで電子書籍版の台本&パンフレット販売中です。ご観劇前に戯曲が読める新しいスタイル。またパンフレットは会場に来られない方、配信の方でもご覧頂けます。

専用のKindle端末をお持ちでなくても、お手持ちのスマートフォンやタブレット端末からご購入・閲覧頂けます。観劇の記念に、観劇前の楽しみに、あるいはご観劇を決める手がかりとしてご活用下さい。

また舞台写真と俳優写真もデジタルデータとして販売中! フルHDの高解像度でお手元に補完できます。

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Tシャツ・パンフレット販売、公演グッズ・オンラインストア

上記・電子書籍とは別に、劇場ロビーで販売している公演グッズをオンラインストアで販売致します。Tシャツ3種(各種サイズあり)+フルカラー・大判サイズの公演パンフレット。クレジットカード決済が利用可能ですので、便利にご利用頂けます。

※東京公演後半・8/19(木)の夜公演から、8場ラストの台詞が変更になりました。上記電子書籍ではすでに変更されていますが、ロビーで紙の台本をお買い求めになった方はこちらからダウンロードして頂けます。

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毎週日曜22時、オンラインアフタートーク配信

「異なる性/生を想像する」というテーマや「A/B男女入れ替え上演」など、本作こそ観客の皆様と一緒に「私はどう感じたか・どう見えたか」語り合うアフタートークをやりたくなる公演です。しかしコロナ禍のため現在アフタートークができません。

そこで公演期間の毎週日曜日、22時からオンラインアフタートークを配信致します。劇場で配布されるQRコードアンケートで回収したお客様のご意見・ご質問に、作・演出の谷賢一&出演者ゲストたちがお答えします。

配信はYouTube Liveで行います。以下のリンクをクリックして頂ければ、無料でどなたでもご視聴可能です。配信中にはチャットでのご質問にもお答えします。たくさんのご参加、お待ちしております。

※左から大内彩加・李そじん・倉橋愛実・湯舟すぴか・冨永さくら・木下祐子

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A/Bキャストによる男女入れ替え入替/逆転上演について

本公演は 「異なる性/生を想像する」というテーマに基づき、男女入替えA/Bキャスト2バージョンで日替わり上演 しています。

[A]キャストでは女性キャストが女性役、男性キャストが男性役を演じます。
[B]キャストでは男性キャストが女性役、女性キャストが男性役を演じます。

配役はランダムではなく、自分の相手役と入れ替わります。つまりAで妻役を演じていた人は、Bでは自分の相手役だった夫役を演じる。Aで夫役を演じていた人は、Bでは自分の相手役だった妻役を演じます。自分の相手役の感情や行動を理解し、想像し、自らのものとして演じます。演出や美術・照明・音響などは変えません。外枠を変えないことで、かえって演じる人間が変わることで生まれる違いをお客様に見てもらえるはずです。

去年私が観たNTLiveの『リーマン・トリロジー』という作品では、初老の男性俳優が若い女性から少年役まで年齢・性別を飛び越えて演じていました。そしてそれが女性にも少年にも見えるのです。演じるということの本質が見た目を寄せることではないということがよくわかりました。

A/Bキャスト、どちらも劇場でご覧頂いても嬉しいですし、片方は劇場で、片方は配信でご覧頂いても面白いかもしれません。両バージョンご観劇頂くと、特典として谷賢一執筆のエッセイ『異なる性/生を演じる』(詳細は下記参照)をプレゼント致します。どうぞお楽しみに!

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両バージョン観劇特典:エッセイ『異なる性/生を演じる』

本公演では「異なる性/生を想像する」というテーマから男女入れ替え上演を行っています。当初、両バージョン観劇の特典や割引は用意しないつもりでしたが、入れ替え稽古があまりに演劇的発見に満ちており豊かだったので、両バージョンご観劇された方向けの特典として谷賢一の演劇論エッセイ『異なる性/生を演じる』を配布することにしました。

ちょっとしたオマケですが、約1万5000字・計10ページの大ボリュームです。それぞれの場ごとに遭遇した発見や気付き、それを解決するための工夫が掲載されています。ご観劇後の副読本としてお楽しみ下さい。

ご希望の方は両バージョンのチケットをお持ちの上、劇場ロビーにて制作スタッフまでお申し付け下さいませ。また、片方を劇場で・片方を配信で見た方や、両方配信で見た方にもプレゼント致します。半券の写真や予約確認メールなどを添付した上で、制作<info@dcpop.org>までお問い合わせ下さい(締め切り:9/30まで)。

主なトピック:視点の違い、相手役を正面から見れない、ジェンダーロールの差、ステータスの差、重心、そしてシンプルに身体の大きさの差、私らしい私と僕らしい僕、お腹への意識、転ぶ、一人でも生きる、ロックフェスと海岸、「考えて述べなさい」、共感、同調圧力、笑い、集団、演技を見るとき私たちは何を見ているのか

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新型コロナウィルス対策を徹底しています

本公演は厚生労働省や演劇業界団体の策定するガイドラインに基づいた上で、医療監修担当医師の指導も仰ぎ、感染症対策を徹底しています。お客様にも検温や消毒・マスクの着用・客席内での私語の禁止・連絡先の提出などご協力をお願い致します。ご不便をおかけいたしますが、すべてのお客様の安全を守るため、何卒ご了承下さいませ。

詳細は以下、当日パンフレット掲載のご挨拶文をご覧下さい。

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必要な方へ、ロビーに出やすい席をご用意します

現在妊娠中の方や、持病や精神・身体的事情などをお持ちの方で、ロビーに出やすい通路席・後方席などをご希望の方はご連絡下さい。安心できる観劇体制をご用意させて頂きます(数に限りがございますので事前に必ずご連絡下さい)。

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情報公開時のメッセージ

 昨年末、我が家に第二子が生まれました。予定日の前後二週間ほど僕も休みを取りましたが、コロナの影響で病院は配偶者でも立入禁止。健診にもお見舞いにも行けず、難しい時間を過ごしました。出産時のみ立ち会えましたが、二回目とは言え壮絶な体験で、痛みも不安もビリビリ伝わるものの、もちろんすべてはわからない。想像するしかない。生まれる瞬間の奇跡のような感動は分かち合えた気がするけれど、それすらきっと夫婦で違う。想像するしかない。
 この感覚はお互い絶対にわからない……と言えば、そりゃあそうなんだろうけど、そこで諦めていいのだろうか。男女の違いだけじゃなく女性同士でだって違うし、人の数だけ違うとなれば、僕らはもう何も喋れなくなってしまう。だけど王様や妖精や宇宙人の気持ちだって想像すれば演じられるのが演劇です。絶対にわからないこの感覚や感情も、時間をかけて想像すればしっぽくらいは掴めるかもしれない。


 昨年KAATで『人類史』という作品を手掛けた際、言語や芸術・宗教や葬儀の誕生などを描きましたが「出産」は扱いませんでした。出産は人類史以前、まだ人間がサルだった頃からある営みだからです。しかしその頃から人にとって重大な営為であった「出産」を演劇で描けないか、考えてきました。
 少子化、晩婚化、ジェンダーロールやジェンダーギャップ、若者の貧困、不妊治療、中絶、シングルマザー……産院は現代社会の縮図のようです。喜び、悲しみ、そして私たちが体験した奇跡のような、様々な感情が詰まっています。

 女性の視点からも作品を見つめてもらうため、演劇およびフェミニスト批評の専門家である北村紗衣氏に脚本監修を依頼しました。また、すでに複数のカップルに取材していますが、協力して頂ける方・話を聞かせて下さる方がいればぜひ劇団までご連絡下さい。5月半ば~6月半ば、日本中どこでも(あるいはオンラインで)お話を伺います。人の数だけある「出産」にまつわる思いや体験をなるべくたくさん聞き取って、台本に起こします。

 そして、ずっと憧れだった劇場、現存する最古の小劇場の一つ、ザ・スズナリ。そしてこの夏に移設・新築された新生2nd。東京と大阪の演劇シーンを牽引してきた小劇場の聖地2つで公演ができることを心から嬉しく思います。また滞在制作と試演会を行う城崎は出産のシンボルでもあるコウノトリの街として有名です。何かとご縁を感じます。

谷賢一

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お問い合わせ

合同会社 DULL-COLORED POP
Tel: 050-5579-6089 Mail: info@dcpop.org Twitter: @dc_pop

※メール連絡が一番返信が早く、確実です。お急ぎの際はメールでご連絡下さい。