第9回本公演『プルーフ/証明』『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

今度のDULL-COLORED POPは、オリジナル翻訳(+翻案)による海外戯曲2本立て。一方はアメリカでトニー賞・ピューリッツァー賞ほか5つもの演劇賞に輝いた『プルーフ/証明』。もう1本は、現代イギリス演劇に最も大きな影響を与えた作家サラ・ケインが、自殺の直前に書き下ろした遺作『4.48サイコシス』をアレンジした『心が目を覚ます瞬間』。

それぞれが00年代最大の話題作でありながら、全く方向性の違う2つの戯曲を、全く異なる着想から生まれた演出プランで描きます。2作品日替わり上演。

劇場: サンモールスタジオ(→地図)
日程: 2009年10月7日(水)~10月13日(火)

『プルーフ/証明』


完成された戯曲を、シンプルかつ攻撃的に演出する。心と心がぶつかりあうときの、青空が割れたような音を、聴きに来て下さい。

原作 デヴィッド・オーバーン
翻訳・演出 谷賢一
出演 清水那保、木下祐子、小栗剛(キコ)、中田顕史郎

清水那保 木下祐子 小栗剛(キコ) 中田顕史郎

作品紹介:2000年にアメリカの小劇場で初演された後、評判が評判を呼びブロードウェイを駆け上がり、全米公演に続いてトニー賞・ピューリッツァー賞ほか5つの演劇賞に輝き、映画化もされた00年代アメリカの傑作。翻訳・演出は英国帰りの気鋭の劇作家・演出家、谷賢一。時間堂・コロブチカなどの上演にて使用されすでに高い評価を得ている翻訳を、訳者自らによる演出と、オルタナティブな個性を持つ俳優4人で上演します。

DULL-COLORED POPは、本公演を持って当面の間活動休止となります。ライブペインティング、ロックバンド生演奏、短編7本同時上演、業界初・飲尿ミュージカル、古典悲劇調創作劇と、演劇の可能性を右から左まで縦横無尽に駆け回ってきたDULL-COLORED POPが、最後に「証明」する演劇の可能性です。

あらすじ:シカゴのとある寒い冬、天才数学者・ロバートは、彼にとって2度目の世紀の大発見である偉大な「証明」をノートに書き続けていた。それほどの「証明」を、彼は誰にも見せようとしなかったし、誰もそれを見ようともしなかった。なぜなら彼は、気が狂っていたから。

やがてロバートは亡くなり、103冊の無意味なノートと、たった1人で彼の身の回りの世話をしていた次女・キャサリンだけが残された。廃人同然に失意の底に沈んでいたキャサリンだったが、遺稿の整理に訪れた若い数学者・ハルと、ノートの持ち出しを巡って激しく争う。父の書斎をそのままにしておきたいキャサリンと、埋もれているかもしれない新たな業績を発掘したいハル。そして、キャサリンをニューヨークへ引き取ろうとする姉・クレア。
やがてキャサリンは、彼女にとって最も重要な1冊のノートを父の書斎から持ち出し、ハルに託す。なぜなら彼女は、……。

『心が目を覚ます瞬間 ~4.48サイコシスより~』

鬱病の末自殺し28歳で世を去ったイギリスの寵児サラ・ケインとの対話を通して、心が目を覚ます瞬間、4時48分に見える、冷たく明るく透き通った、地獄より地獄的な風景の創出を目指します。

原作 サラ・ケイン
翻訳・翻案・演出 谷賢一
演出協力 小栗剛(キコ)、吉田小夏(青☆組)
出演 谷賢一、堀奈津美

谷賢一 堀奈津美

「吐き気がするような汚辱の饗宴」と評され・賛否両論を巻き起こし・90年代イギリス演劇を象徴する問題作となったデビュー作『Blasted』で・サラ・ケインは・ホテルでいちゃつく中年男と少女の戯事の最中・突如として壁を破って侵入する兵士を登場させた・彼は内戦の凄まじさを語った後・男のケツを犯し・目玉を抉り出して食べ・銃で頭を打ち抜いて自殺する・サラはこう語る「人生における暴力はいつも突然、ドラマチックな筋立てを持たずに“ただ”起こるもの、だから恐ろしい。この劇における暴力と一緒」。彼女の生前の写真には・不思議と笑顔のものが多い

『4.48サイコシス』には・登場人物の名前はおろか・人数・性別・ト書きすらなく・そこはどこなのか・誰が喋っているのか・全く知らされぬまま台詞とも思えない文が並んでいる・中には数字の羅列や散文詩のようなものもあり・もはや戯曲とは呼べないのではないかという議論もあるが・では戯曲とは何だ・上演のために書かれた文学のことを我々は戯曲と呼んだのではないか・だとしたらこの作品は間違いなく戯曲である・サラが死後上演されることを想定して・毎朝4時48分に筆を執った・遺作である

サラ・ケインは『4.48サイコシス』を書き終えた後・28歳と14日でこの世を去った・この文章を書いている私は今現在27歳と141日である・この最高にサイコでハネてて気の違った作品を上演するにあたって・今の私はかなりキている・神様にチョイスされた感じだ・私はこの上演を私とサラの対話として想像し・加筆再構成した上で・演劇が演劇でなくなる境界線まで足を伸ばしてみるつもりだ・翻訳に当たっても原文の「表現」を翻訳するのではなく・執筆当時の彼女の「心情」を翻訳するため・一度翻訳した後に自分の言葉で全て書き直す・リズムや音を失った言葉は・気の抜けたビールより邪悪である・だから私はサラの表現ではなく・心象風景と絶望を翻訳する

本公演を持って我が愛するDULL-COLORED POP(欧米かぶれのださい名前だ)は活動休止となる・眠る前にやり切らなければならないことがある・病院のベッドで向精神薬にまどろむ意識を泳ぎながらサラがこの作品を書き残したように・私は知りたい・死よりも恐ろしいものが何なのか・来年の予定に「自殺」と書き込んだ上で戯曲を書くということがどういうことか・だから私はサラと話がしたい・だから私は今回「登場人物」として板に登る・俳優として演じるというよりも・1人の作家として・1人の惨めでみすぼらしい・粗末な性器を股間にぶら下げ・偉大なる劣等感と下卑た野心にそそのかされて・机に齧り付いている1人の人間として

サラの言葉は出版され上演され多くの人の耳をえぐった・だが生きている最中その言葉は誰の鼓膜にも触れなかった・私はサラの生きた時代に戻り彼女の言葉に耳を傾けるつもりだ・イギリスが4時48分のこの瞬間・私の机は13時48分である/「1ページにたった一言、それだけでドラマは生まれる」(『4.48サイコシス』より)・活動休止前の・最後の一言。(DULL-COLORED POP主宰:谷賢一)

*本公演では舞台上で大量の煙草を吸う上に色々と生理的・倫理的に不愉快なことが起こる可能性があります。ご了承下さいませ。

スタッフ
照明:松本大介(enjin-light)、朝日一真、音響:長谷川ふな蔵、美術協力:土岐研一、演出助手:高橋浩利、酒井一途、制作:北澤芙未子(DULL-COLORED POP)、池田智哉(feblabo)

タイムテーブル

07(水)      19:00~ [プルーフ/証明]
08(木)      19:00~ [心が目を覚ます瞬間]
09(金) 14:00~、19:00~ [プルーフ/証明]
10(土) 14:00~、19:00~ [心が目を覚ます瞬間]
11(日) 14:00~、19:00~ [プルーフ/証明]
12(月) 14:00~、19:00~ [心が目を覚ます瞬間]
13(火)      19:00~ [プルーフ/証明]

※奇数日は『プルーフ/証明』、偶数日は『心が目を覚ます瞬間』を上演します。
※開場は開演の30分前です。

料金

前売 2,500円 当日3,000円

学割:前売・当日ともに500円引き(要学生証提示)
リピーター割引:1,000円引き(要半券提示)
(※本公演では2つの演目を日替わり上演致します。リピーター割引は、別演目をご観劇なさる際にもご利用が可能です。半券を忘れずにお持ち下さい。)

劇場へのアクセス

より詳しいご案内はサンモールスタジオのウェブサイトをご覧下さい。写真つきで道案内されています。

ご予約・お問い合わせ

DULL-COLORED POPまでお問い合わせ下さい。また、下記の予約フォームもご利用頂けます。

予約フォーム 24時間予約OK!
info あっとまーく dcpop.org … 代表者氏名・日時・枚数・割引の有無をお伝え下さい。
090-6521-5230(制作)
※ご予約は各回開演24時間前までの受け付けとさせて頂きます。
※開演時間を過ぎてもご到着が確認できない場合、ご予約をキャンセル扱いとさせて頂く場合がございます。ご了承下さいませ。

舞台写真『プルーフ/証明』

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舞台写真『心が目を覚ます瞬間 ~4.48サイコシスより~』

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