「これまでの作品」カテゴリーアーカイブ

第20回本公演「福島3部作・一挙上演」

DULL-COLORED POPでは2019年夏、谷賢一が3年間かけて取材・構想・執筆を行う「福島3部作」の一挙上演を行います。

 私の母は福島の生まれで、父は原発で働いた技術者だった。私自身も幼少期を福島で過ごし、あの豊かな自然とのどかな町並みが原風景となっている。
 原発事故はなぜ起きてしまったのか? 政治・経済・地域の問題が複雑に絡まり合い、簡単に答えが出せない問題だ。しかし、だからこそ演劇でなら語れるのではないかと思った。異なる意見を持つ者たちが出会い、言葉を戦わせ合うのが演劇だ。答えを示すことよりも、問いを強く投げかけるのが演劇だ。演劇でなら語れる、「なぜあの事故は起きてしまったのか?」
 2年半に渡る取材成果を三部作・三世代の家族の話として紡ぎ直し、人間のドラマとして福島と原発の歴史を問い直したい。

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第19回本公演/新人加入記念公演「あつまれ!『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』まつり」

父が死に、母は2匹の猫を飼い始めた。母・よし子、61歳。プロのお母さんとして生きてきた彼女の人生にきらめく、ステキにまばゆい思い出たち。しかしその裏側には悲しい過去が隠されていて、そいつを猫たちがじゃんじゃん暴いてく──。だって僕たち、猫だもの!

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人が猫を演じ、猫が母を演じ、家族同士が良い家族を演じる。「演じる」ことをテーマとした劇団の代表作『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』待望の再々演。2012年に初演され、2015年の再演では早々にチケットが完売した同作を、計4演出・4バージョンに拡大上演することで作品と劇団の魅力を4倍に引き出します

また本公演は、活動再開したDULL-COLORED POPの屋台骨を支える、今後の主要メンバーや若手・中堅俳優の発見と育成をも目的とします。2019年夏に控える「福島三部作」連続上演へ向けて、劇団の主力と常連を見出し、「ダルカラらしさ」を共有することで劇団の体力増強・演劇界覇道を目指します。
また公演の稽古を通じて劇団としての演技メソッドの作成・共有をも目指していきます。

公演タイトル あつまれ!『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』まつり
作・総合演出 谷賢一(DULL-COLORED POP)
演出 谷賢一、東谷英人、百花亜希、井上裕朗
劇場 新宿サンモールスタジオ
公演期間 2019/2/14(木)-2/24(日)
スタッフ 舞台監督:東谷英人 舞台監督補:竹井祐樹(Stage Doctor) 特殊効果:小林慧介 照明:榊美香(有限会社アイズ) 音響協力:佐藤こうじ(Sugar Sound) 美術:鮫島あゆ&グラマラスキャッツ 宣伝美術:鮫島あゆ 稽古場助手:小川譲史、宮藤仁奈、杉森裕樹 制作:井上裕朗、百花亜希、猫の手
助成 セゾン文化財団

 

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第18回本公演/福島3部作・第1部先行上演『1961年:夜に昇る太陽』

劇団活動再開! 2年間の取材を経て、福島と原発の歴史を解き明かす「福島3部作」、第1部のみ今夏先行上演。福島はいわきアリオスにて初日を開けた後、東京こまばアゴラ劇場にて20ステージ上演。

私の母は福島の生まれで、父は原発で働いた技術者だった。私自身も幼少期を福島で過ごし、あの豊かな自然とのどかな町並みが原風景となっている。

原発事故はなぜ起きてしまったのか? 震災以降ずっと考えてきた問いに答えを出すべく、二年半に渡る取材を経て福島の歴史を執筆・上演する。第一部は1961年、双葉町が原発誘致を決定した年。あの頃、人々は何を夢見ていたのか? 当時の夢であり現在の悲劇の発端でもある1961年を「演劇」、つまり人間同士のドラマとして描き出したい。

作・演出 谷賢一

公演概要

あらすじ:
1961年。東京の大学に通う青年・孝は故郷である福島県双葉町へ帰ろうとしていた。「もう町へは帰らない」と告げるために。
北へ向かう汽車の中で孝は謎の「先生」と出会う。「日本はこれからどんどん良くなる」、そう語る先生の言葉に孝は共感するが、家族は誰も孝の考えを理解してくれない。そんな中、彼ら一家の知らぬ背景で、町には大きなうねりが押し寄せていた……。
福島県双葉町の住民たちが原発誘致を決定するまでの数日間を、史実に基づき圧倒的なディテールで描き出した谷賢一の最新作。

作・演出 谷賢一(DULL-COLORED POP)
出演 東谷英人、大原研二、塚越健一、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)
古屋隆太(青年団)、井上裕朗
内田倭史、大内彩加、丸山夏歩、宮地洸成
スタッフ 舞台監督:藤田有紀彦、松谷香穂 照明プラン:阿部将之(LICHT-ER) 制作:小野塚央
助成 アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、芸術文化振興基金、公益財団法人セゾン文化財団
支援 アイオーン、青木麻莉子、アゼクラミツコ、一之瀬善照、いではなえ、S.K.、emikuma、遠藤雄太、遠藤洋子、荻野達也、Kaoru、河原塚祐司、川南恵、giovanni、澤田絵津子、高須左恭、高野しのぶ、たれめのリリー、坪池栄子、中川真里、永渕哲三、のし、ふみ、masato、松本由希子、宮崎晃行、吉見由香、りいちろ、RUMMY、Y.Tamura(五十音順・敬称略)

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第16回本公演『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』(再演)

父が死に、母は見えない猫を飼い始めた。母・よし子、61歳。プロのお母さんとして生きてきた彼女の人生にきらめく、ステキにまばゆい思い出たち! しかしその裏側には悲しい過去が隠されていて、そいつを猫たちがじゃんじゃん暴いてく──。だって僕たち、猫だもの!

2012年に上演され大好評を博した劇団の代表作『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』。多数寄せられた再演希望の声にお応えして、満を持しての再演です。来る超高齢化社会を前に描かれた、言わば「普通のお母さんの老後問題演劇」。世界一ステキで残酷な“ウソ”の物語が、東京・大阪・岡山の3都市で蘇ります。

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番外短編『全肯定少女ゆめあ』

ふしぎふしぎふしぎ! どうして鳥は空を飛べるの? どうしてカニさんは横にしか歩けないの? どうして世界は滅びつつあるの? ──あちしの名前はゆめあ。夢はたっくんのお嫁さん! 邪悪な大人たちと戦うことを決意した。あちしたちの手で、みんなの笑顔を守るのよ!

──「小劇場演劇の活性化」を目的として、6劇団が15分ずつの作品を1ステージで上演する小さな演劇祭『15 Minutes Made』に、6年ぶりに参加。6年前は一番若手でした。今回はどうやら一番年輩。なので一番面白いやつ、作ります。 続きを読む 番外短編『全肯定少女ゆめあ』

第14回本公演『河童』

これはある精神病患者、第23号が誰にでも喋る話である。

「──人間! 馬鹿で、浅はかな、いやらしい、うぬ惚れきった、残酷な動物ばかり! その点、河童たちの社会は、合理的、先進的、人間的……、ィャ河、童、的、な、素晴らしいところ。(苦笑し)まだ疑ってらっしゃる? 私はこの目で確かに見ました。河童たちの暮らす国、完璧に幸福な理想郷を!」 続きを読む 第14回本公演『河童』

番外公演 『プルーフ/証明』

『プルーフ/証明』は、2000年5月にオフ・ブロードウェイで初演された後、圧倒的な観客の支持を得て、10月にはオン・ブロードウェイに進出。その後も世界各地で上演され続けている、アメリカ現代劇の最高傑作の一つと言える作品です。僕にとっては、翻訳家としてのデビュー作であり、演出家としても今回3度目の新演出となる、因縁の作品です。 続きを読む 番外公演 『プルーフ/証明』